片山慎三監督作品は初見。なんか辛そで観るのを躊躇ってたが思い切って鑑賞。懸賞金付きの連続殺人指名手配犯を目撃したという父親が失踪。残された中二の娘が父を探すミステリー風のヒューマンサスペンス。時系列のいじり方がちょっと複雑で、途中から視点を変えて事件の真相とそこに至る父と犯人双方の経緯を明かす構成。大阪の下町の小汚い裏路地、貧しい市井の人々、要所で配される上から目線のヒキの斜俯瞰。視線は終始なんだかやらしいが、上品な劇伴で品格上げてる。展開が都合良すぎで蛇足も多い。主演の佐藤二朗の芝居が時々コメディっぽく見えてしまうが泣き芝居は迫真。娘役は「空白」の存在感が印象に残る伊東蒼で さすが！幼さ留めた芝居がすごく良い。清水尋也は初めて認識したが色気があり、サイコっぷりがハマってて見事。え？「映画大好きポンポさん」の主人公ジーン役？まじかぁ、今後注目。品川徹演じる変態エロ爺も良かった。球音虚しくこだまするエア卓球が意味不明で大変惜しい終い。
