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さがすのtntnのレビュー・感想・評価

さがす(2022年製作の映画)
3.9
前半の勢いがたった30分で終わるのは肩透かし。そのせいでそんなに「さがす」映画に見えなかった。緊張感のある場所から一気に人間が動き出すアクションの見せ方が凄い面白いくて、もっと見せてほしいぐらい。
ラストは印象的だけど、個人的にはむしろ伊藤蒼が真相を知る場面が絶対必要な気がする。
性的描写で急に露悪性が増すのは、ミニシアター邦画界隈のホモソ性が垣間見えてダサイし下品。全体的には結構面白かった。画面はずっと格好良かったし、演技で語りすぎない演出も好き。大衆メディアから不可視にされている人達の生活の匂いが充満してるのも良いと思う。
日本の社会において、そこら辺で手に入るものを気持ち悪く見せる邦画は好き。森田芳光『黒い家』とか。今作でいえば、卓球はもちろん、スズランテープ、マジックハンド、革ベルトあたりが最高に気持ち悪い。
サイコパス描写も陳腐だし、伊藤蒼の彼氏描写はいい加減にしろと思うが、基本的には俳優の台詞回しも仕草も匂い立つようなリアリティがある。
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