記録用
いろんな所で佐藤二朗さんの新境地とかイメージを覆す役と書かれていたけど、個人的はこれまでのコミカルなキャラクターの方がイメージに合わなくて本作でようやく私が思う佐藤二朗さんらしい役柄を観られたって感想。こういう後ろ暗い役だけ演じててほしいって思いながら観てた。それくらい良かった。
暗く重そうなストーリーなので気持ちが落ち込む覚悟をして観たけど、意外にもクスッと笑えるシーンやドタバタ劇的なノリもあってそれが良かった。舞台が大阪というのが効いてるのかスベった感じもなくてちゃんと面白かった。
名無しが同情の余地もない見たまんまの快楽殺人鬼だったのも良かった。実は彼にも悲しい過去があって…とかやられてたら冷めてたと思う。
公子はただ死にたかっただけじゃなくて智に命を終わらせてほしかったんだろうなぁとか観てて思った。死ぬにしたってあんな男の欲を満たすために殺されたんじゃね…。
結局、智が逮捕されたのかどうかが描かれていないのでモヤモヤが残るラスト。ラリーをしながら会話する親子の姿はすごくいいんだけど。
懸賞金をもらえたってことは警察は智をシロだと判断したわけで捕まるなら楓が通報したことになるけど、父親が逮捕されたら自分は独りぼっちになってしまう状況で果たして楓が通報するだろうか…。名無しや母親の死の真相にも気付いているだろうし智が同意殺人を続けようとしていた事実を楓がどう受け止めているのか。今もそれを考えている。
