このレビューはネタバレを含みます
ALSの妻を持ち、苦しむ原田の姿が切ない。自殺の瞬間を見てしばらく動けなかったり、殺してあげようとしてできなかったり。自分が原田の立場だったらどうするだろうと、考えさせられた。
ラストシーンの楓と智のラリーは、心が締め付けられそうだった。父のことを試し、恐らく通報をした楓。ピンポン球が家族の絆のメタファーで、ラリーはコミュニケーションのメタファーだとすれば、ピンポン球がない状態でラリーを続ける意味も伝わってくる。事件の真相を知って(知られて)でも、家族としての絆を忘れたくないのだと、勝手ながらに感じ取った。
精一杯取り繕う楓の表情や台詞に心を打たれるばかりだった。