西成の雑多な街並み。
その街を行き交う様々な人。
それぞれに何かを抱えて生きている。
そんなリアルな街の息遣いを感じた作品だった。
映像から湧き出す匂いが何か生々しさを感じるなと思ったら「岬の兄妹」の監督だった。
いやはや納得。
岬の兄妹は内容がキツ過ぎて途中リタイアした作品。
「さがす」は良い意味で観やすく、佐藤二朗という役者の幅の広さを滑稽な顔芸と話し方で表現せず、演技としひきだしていた。
娘とお父ちゃんのピンポンをしながらの印象的な会話。
全てを知っていながら受け入れる娘が泣かせる。
根底に流れる尊厳死というテーマ。
邦画にありがちなお涙頂戴路線に走らず軽やかに観せてくれた。