このレビューはネタバレを含みます
やっと見つけた。
行方不明になった父親を娘が探す所から始まる話。
この作品は、物語がスウィングしてるし、種明かしも絶妙で、ラストシーンもじんわりとくる。
冒頭で「愛の夢」をバックにハンマー素振りをしている佐藤二朗の場面は、ポン・ジュノ監督の「母なる証明」でキム・ヘジャが踊っている場面的な匂いがして、さすがはポン・ジュノイズムと思いましたが、ちょっと違いましたね。
伊東蒼が万引きをした父をスーパーまで迎えにゆく場面の音楽もドラムのみって感じでかっこよかったです。
3部構成がまた絶妙で、娘が父をさがす1部、ナナシ目線で連続殺人の大枠を描く2部、全ての謎が解明される3部の最後に1部が追いつく物語のスウィング感が素晴らしい。
役者も監督も素晴らしいから名シーン連発。
シスターにツバを吐きかける楓。
泣き崩れ妻を抱きしめる智。
障害者トイレでシャツのボタンをとめながら涙する智とムクドリ。
ナナシに抱きかかえられながら手を振るムクドリ。
血まみれで涙するナナシ。
プレミアムモルツ。
良い作品だと思います。