このレビューはネタバレを含みます
佐藤萌子と井上唯子=モエとユイのアナグラムで「トエユモイ」なのでしょうか。
佐藤萌子(はまださつき)監督はまださつきがこんな女性なのかなと思ってしまう。
萌子は鉄棒にぶら下がりながら「♪わたしーはー♪洗濯も〜の〜♪」とうたったりするお芝居をやっているちょっぴりエキセントリックな大学生。
物語の時期はコロナ禍。皆マスクをしている、コンビニでバイトしており萌子と顔見知りになった井上唯子(成瀬志帆)はあるひ唐突に萌子から「一緒に住みませんか?」と言われ思わず「いいですよ」と返す。
物語はここから始まり、同じアパートに住む近所のバーでバーテンダーをやってる しんたろう(池田光輝)のほぼ3人で進行する。かわいい系の萌子とキレイ系の唯子はお互い色々個性が強くなにかとぶつかるが、くだらない「勝負」で決着をつけようとする。けっして安直に「出ていけ」「出ていく」とはならない。
この二人をみているとおそらくコアの価値観は同じなのだと思う。
特に人生の重要なエポックが起こるわけでもないし、しかし「ルームシェア」が勢いで出来る時期こそ青春な気がする。観ているとこちらが「いつまでもこんなままでいてほしい」と最後は思ってしまう。
そして唯子がこの生活から外れてしまう時は果たしてどちらに何が起こった時だろうと、余韻を愉しむ事も出来る。——そんな掌編映画だ。
余談だが割と象徴的に出てくる2人が好きな「WineCup」という飲料は実際に売ってるんですね。