kyoko

リフレクションのkyokoのレビュー・感想・評価

リフレクション(2021年製作の映画)
4.0
アトランティスと同じ、ワンシーンワンカット。さらにカット数が少ない気がする。25から30の間くらいかしら。
そこで起きていることを1から10まで映し出すことで、男の孤独と戦争が刻みつけた苦痛が伝わってきて観ているこちらも苦しい。
レコードの針を落とすまでの一連の動作が何気に好き(心の中で、聴かせてくれないんかい!とツッコんだのは私だけじゃないはず)。

ラストシーンはむちゃくちゃ混乱した。果たして彼は苦しみから解放されたのか。
あるいは友の苦痛を取り除いてやりたいがための善意の背後にすべてを取り戻そうとした悪意をも潜ませていたとしたら、彼は一生降ろせない十字架を背負わされたようにも見える。本当の再生への道はこれから。

あの鳩は自分の身を犠牲にしたキリストのようでもあり、愚かな人間に対する神からの警告のようでもあった。

ウクライナ支援として素早く動いた矢田部さんに心の中でお礼を言いながら劇場を出たところにレオスカラックス風の人物。後日ご本人だったことを知ってもうちょいガン見しとけば良かったと後悔(でも気軽に見られるオーラじゃなかった)。
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