kazu1961

リフレクションのkazu1961のレビュー・感想・評価

リフレクション(2021年製作の映画)
3.8
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-413
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋本作を観て、2014年にはすでにウクライナへの侵攻が始まっていて、ウクライナがその脅威に晒されていたという事実がわかります。いわゆる“侵略戦争のはじまり”を伝えている作品なんですね。。。なので、今観るべき作品かも知れません。

🖋また、映画の技法としての興味性が尽きない作品でもあります。ヴァシャノヴィチ監督が作り上げたその写実的な映像は観てる限り、作品全体の8割前後はシンメトリー構造のセンターフォーカスでのロングテイクが占めています。そして背景には一切の音楽がありません。それだけに凄惨な捕虜拷問シーンや悲観にくれる父娘、リフレクションの窓にぶつかる鳩などを抽象、具象を織り混ぜて、戦争の凄惨さや虚無性を見事に伝えてきます。

🖋一方で、そのような手法のため時間軸が止まっているようにも感じられ、冗長感がありストーリー展開のダイナミズムに欠ける側面もあります。まあ、その部分は監督も望んではいないのでしょうけど。。。

🖋本作、ウクライナ東部のドンバス地方で紛争が始まった、2014年を背景に描く社会派ドラマです。ウクライナの従軍医師が、ロシア系住民から成る人民共和国軍の捕虜となり、命からがら帰還し、その後の姿を斬新な技法で魅せてくれる作品です。

🖋今なお、ヴァシャノヴィチ監督はカメラを携え、戦禍の現実を撮影していると伝えられています。新たな作品が無事観られることを切に祈ります。。。

😱Story:(参考: 公式サイト )
クリミア侵攻が始まった2014年。従軍医師のセルヒーは、東部戦線で人民共和国軍の捕虜となり、悪夢のような非人道的行為を経験。やがて首都キーウに帰還したセルヒーが、失われた日常を取り戻そうと苦闘する姿を、娘ポリーナとの触れ合いを軸に見すえていく。。。

🔸Database🔸
・邦題 :『リフレクション』
・原題 :『Vidblysk』
・製作国 : ウクライナ
・初公開 : 2021
・日本公開 : 2022/06/25
・上映時間 : 126分
・受賞 : ※※※
・監督 : ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
・脚本 : ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
・原作 : ※※※
・撮影 : ヴァレンチン・ヴァシャノヴィチ
・音楽 :
・出演 : ロマン・ルツキー、ニカ・ミスリツカ、アンドリー・リマルーク、ナディア・レフチェンコ

🔸Overview (参考:Wikipedia)🔸
ベネチア国際映画祭や東京国際映画祭で受賞を果たした「アトランティス」などで世界から注目されるウクライナの俊英バレンチヌ・バシャノビチ監督が、2014年に始まったロシアによるクリミア侵攻を背景に、戦争と平和、生と死、肉体と魂、そして贖罪など、さまざまなテーマを交えて描いた人間ドラマ。ロシアによるクリミア侵攻が始まった2014年、ウクライナ東部ドンバスの戦線で捕虜となり、悪夢のような非人道的な行為を経験した従軍医師のセルヒーが、首都キーウの街に帰還した後、失われた日常を取り戻そうと苦闘する姿を、娘のポリーナとの触れ合いを軸にして描いていく。第78回ベネチア国際映画祭のコンペティション部門出品。
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