ロシア•ウクライナ間の戦争が始まる2014年を舞台に、戦争の惨たらしさと戦場を離れてもなお続く痛みを描いた戦争ドラマ。
『アトランティス』に引き続きの鑑賞。
冒頭のペイントボールのシーンからいきなり象徴的。
大人たちが見守る中、ガラス一枚隔てた向こう側では子どもたちが銃を撃ち、撃たれる。
主人公セルヒーが捕虜となる前半と、帰還してからの後半。
空気は違えど、一貫して戦争の傷ましさと戦争による傷の深さを映し出していく。
アンドリーの生死がわからなく不安な毎日を送るオルガやポリーナ。
しかしポリーナはアンドリーと約束していた、乗馬やドローンをセルヒーとおこなう。
別に諦めているわけではないのだろうけど、考えさせられる。
セルヒーとポリーナの視点から描かれるシーンは、ひとつひとつが相変わらずの長回しで、どれもが心に残る。
戦争によって壊された人生が、その後どこへ向かっていくのか。
そんな、途方もない、しかし考えなくてはいけない問いを投げかけてくる。