みむさん

笑いの王のみむさんのレビュー・感想・評価

笑いの王(2021年製作の映画)
3.3
シアトル国際映画祭にて。

トニ・セルヴィッロ主演、イタリアの劇作家・喜劇俳優のエドゥアルド・スカルペッタの伝記というより盗作疑惑にまつわる法廷闘争の話がメインだと思う。

家族の姿も描いてはいるんだけどそのパートが正直いってちょっと長いかなとは思った。
だけど、まるで法廷をステージに錯覚してしまうような、聴衆を味方に付け裁判官までも笑わせる、畳み掛ける喜劇役者の姿は圧巻だった。あれまさにトニ・セルヴィッロ劇場って感じだったな。

家族や親族や取り巻きがたくさん出てくる上に、繋がりがややこしい。図にして欲しいわ…。
黒髪の女性が似た顔つきの人が多いし、息子や婚外子も出てくる上に主人公と同じエドゥアルドという名前の子はいるわ、その子供たちのうちのやや成長した1人ヴィンツェンゾを演じるのが実際にエドゥアルド・スカルペッタと同名の子孫だったりで、ただでさえ混乱するのにクレジットでもちょっと混乱してしまったよ😅

父が喜劇役者、青年のほうの息子は映画を目指し反発、幼い子エドゥアルドは喜劇に触発されるも母に反対され…と大家族間和気あいあいのようでちょいちょい溝がある。
そんな大家族となんとか楽しく過ごそうとするも盗作疑惑、このあたりから面白くなってくる。

パロディと盗作の違いの話を聞いていると、たまに話題になるオマージュとパクりの違いの話を思い出す。
違いを証明するものが抽象的であるとき、どうやって証明するのか?なんて考えながら見ていた。

エドゥアルドの法廷での立ち回りが面白い。爆笑裁判じゃないか。あんな笑顔だらけの裁判てあるのか?実際の裁判どうだったんだろうか?
デフォルメしてるんだろうけどこうやって映画として描くくらいだから普通のシリアスな裁判とは違ったのかもね。

家族の話がふっ飛んでしまうぐらいのクライマックスの怒濤の被告人陳述だった😂😂😂😂つられて拍手してしまいそう……