Omizu

笑いの王のOmizuのレビュー・感想・評価

笑いの王(2021年製作の映画)
2.9
【第78回ヴェネツィア映画祭 コンペティション部門出品】
『カプリ島のレボリューション』のマリオ・マルトーネ監督が実在のイタリア喜劇王スカルペッタの半生を映画化した作品。イタリア・アカデミー賞であるダヴィッド・デ・ドナテッロ賞では14部門にノミネートされ、助演男優賞と衣装デザイン賞を受賞した。

『カプリ島のレボリューション』がかなり好みだったし、ヴェネツィアのコンペ作品だしってことで期待してたんだけど、あまりのつまらなさに途中で止めたくなった。

時々思い出したように幻想シーンが入るがそれが別に美しいわけでもないので大して効果的とは思えない。またストーリーテリングも単にスカルペッタの私生活と裁判を描くだけで無味無臭、平板の極み。これなら伝記でも読んでたほうがまだ面白いのでは。

ただしラスト20分くらいは急に盛り返してくる。これは単に主演のトニ・セルヴィッロ(ソレンティーノの『LORO 欲望のイタリア』でベルルスコーニを演じた人だね)の力でしょう。その前に哲学者?に褒めてるようで貶されたシーンから開き直ったかのように喜劇演技を炸裂させるのは面白かった。
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