文学を愛し詩人としての成功を夢見る青年リュシアン(バンジャマン・ヴォワザン)が、パリの厳しく冷酷な現実に翻弄され、自分を見失っていく様が、アナキンの闇落ちのようだった。
ナレーションの説明が多かったので、お話も意外とわかりやすかった。(ナレーションがドランだったのは、最後の方にやっと気づいた。)
ドランが演じる作家のナタンは、唯一好感が持てる青年だったけど、最初は「もしかしたら裏がある?」などと勘ぐってしまった。最後には、ナタン自身が原作者のバルザックみたいな立ち位置になっていたので、「ドランのビジュアル=バルザック」になって、バルザックのイメージが美化された。