青豆

ロスト・ドーターの青豆のレビュー・感想・評価

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)
4.1
この作品の根底にはフェミニズムがあるのだと、わたしにはそう思えた。
これまで考えもしなかったけれど、母性ってある意味絶対的なものとされていて、必ずしも全ての女性が持っていると、持っているべきだと、持っていなくてはいけないと、父性よりも遥かにそう思われているものではないか。
それが少なからず子育てをする母たちへのプレッシャーやストレスに繋がっているのではないか、子育ての経験がある人はこれを観て“怖い“なんて決して思わず、むしろワカル…と思うんじゃないか、そんなことをまず考えた。

現実と回想の時間に使われる時間の長さが入れ替わるあたりからどんどん引き込まれていった。メタファーとしての人形やフルーツだったり、心情と対比するかのような穏やかで美しい海辺の風景だったり、レダのあまりに自然な涙の流し方であったり、言葉なしに感情を表す描写が美しい。
好むと好まざるとに関わらず、傑作であることは確か。
青豆

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