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ロスト・ドーターのデイのレビュー・感想・評価

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)
3.8
マギーギレンホール初監督、そして脚本

マギー!!素晴らしい!!
と言っても、この映画が好きかどうか?
と聞かれたら、好きでは無いかもしれません。

原作小説があっての映画化なので、ストーリーがどうのこうの…の評価は書く必要は無いとは思います。
ただ、長い小説で映像化するとなると長編ドラマぐらいになるそうで、
マギーは、原作のこの部分をフィーチャーして脚本を書いたのだな…と。

主演はオリヴィアコールマン
48歳なんですね。

Amazonオリジナルドラマ「フリーバッグ」で彼女を初めて知ったのですが、48歳には見えなかったのです。
(当時は40歳ぐらい?)
もっと、年齢が行ってるかと…。

決して美人では無いけれど、演技はとても上手いですね。

怒りや戸惑い、作り笑い、微妙な表情の使い分けがとにかく秀逸なんです。

大学の教授であるレダがバカンスで訪れたギリシャのとあるビーチ。貸別荘に滞在。

一人ノンビリと過ごしたかったのに、
マフィアの大家族がそこにやって来て、騒がしさに巻き込まれていき、レダにとって心地良いバカンスでは無くなってしまう。

若い時のレダを演じたのは
「もう終わりにしよう」等のアイルランド🇮🇪の女優であるジェシーパックリー(オリヴィアと余り似ていない…)

若い時のレダは仕事と5歳と7歳の2人の娘の育児でクタクタ。
夫が全く手伝わないワンオペ育児という訳では無い。

でも、毎日クタクタな状態。

で、ある時、娘2人を捨てて出て行ってしまう。

マフィアの大家族の中でダコタジョンソン演じるニナと幼い娘エレーナの様子を見ていて、
過去に自分が娘達を捨てた事を思い出す。

レダの幼い長女が
オレンジの皮を蛇みたいに途切れ無いように皮を剥いてとせがむシーン。

ビーチの森で大きな松ぼっくりが落ちて来てレダは背中を怪我してしまう。

ニナの娘エレーナが大切にしていた人形
等々

このモチーフはマギーのアイディアなのかしら?

ニナはレダに対して好印象を持つけれど、
ニナの叔母である臨月に近いカリーナは、レダに対して挑発的でピリピリとした空気が漂う。

冒頭で海岸でレダが倒れるシーン…はここに繋がるのか…。
なるほど…。

自分の仕事(夢)の為に娘を捨てたレダだからこそ、正直な女性なんですよね。

怒りに対してもそうだし、
ここで、嘘をついておけば良いのに…と思っても正直に話してしまうところ。

素敵な貸別荘の部屋とビーチリゾート。
でも、レダはニナ達と出会う事で、"幸せでくつろぐ時"を奪われてしまった。

観ていていつもいつも苦しいシーンばかりなのです。
観てる側もヒリヒリしているのです。

レダに共感出来る出来ないはさておき、それでも、レダは過去を思い出し、自分のした事に涙をポロポロと流すのです。

それは後悔の念だと思うから…。

エドハリスが禿げたおじいちゃんになっていて、最初はエドハリスって分からなくて、
でも、渋くて素敵だった。

ビーチリゾートなのに、フィルムの画(質感)が私好みで、
クリアーでは無く、青い空に青いビーチ!!素敵!!
って感じじゃなかったのも、ストーリーと合ってて、それはそれで良かったのかも。
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