話は割とじんわりと重く進んでいく。2時間を長くは感じなかった。風景が美しくて映像を見ていることが苦痛でないの助かる。
いかにも繊細そうなピーターの目はいつもまっすぐ先を見ていて、わざとらしいほど力強いカウボーイしてるフィルの目は時たま所在なげに揺れるのが印象に残った。
何か違えば、せめてフィルにもう少し「俺は嫌だけどお前は好きなのな」で流せる精神があったら仲良くなれた伯父甥な気がしてしまうのが悲しい。
理解しきるのは無理だったけど、たぶん比喩や対比がいくつもある。
どこが悪と言い切れない話は流行りか何かなのだろうか。弟嫁を追い詰めたフィルはもちろん良くないが、さっくり結婚同居に移ってフォローも粗めな弟も、自分の所有物ではない物の処遇を決めた弟嫁も、「ああ」振る舞うしかなくなった彼の環境も大体どれも悪かったように感じる。弟お前一人じゃないっていいなとか喜ぶのはいいが周り見てくれ。見てくれ。
フィル、たぶん弟よりも文化的だったり繊細だったりする活動の適性あるのだろうな。さも繊細な顔したピーターと感覚を共有できたと感じた時、嬉しかったのだろか。悲しかったのかな。