有酸素

パワー・オブ・ザ・ドッグの有酸素のレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
3.8
欺きあう視線のおぞましさ。
モチーフとしての牛が示す制御できない男性性の象徴。日常の中に差し込まれる不穏な描写と音楽。
近代以降の価値観を西部劇に落とし込んでいるだけでなく宗教的な、神話的な人ならざるもの感を演じているピーター役の俳優が素晴らしかった。
男性社会のどうしようもない部分は「ミークス・カットオフ」の描かれ方も思わせるし泥まみれのカウボーイ たちの中に佇むピーターは「ゼア・ウィルビーブラッド」の神父の存在感にも似ている。