ベビーパウダー山崎

パワー・オブ・ザ・ドッグのベビーパウダー山崎のネタバレレビュー・内容・結末

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

愛する弟を憎っくき女に奪われたカンバーバッチお姉さまによる小姑の嫁いびり。見せ掛けでしかない雄大な映像とジョニー・グリーンウッドのPTAっぽい音楽で面構えだけは立派だが、その薄っぺらな野心が大仰であればあるほどバカバカしく空疎に見える。『アメリカン・ビューティー』のクリス・クーパーと同じ苦悩で映画を走らせる今更感。終盤のサスペンス的な流れも小賢しく、溢れて漏れ出す殺意の欲求がまるで伝わってこない。「臭い」と言われたカンバーバッチも全然汚れていないし、牧場の男たちもアル中の女もみな綺麗すぎ。どの映画でも素晴らしいジェシー・プレモンスと脇のトーマシン・マッケンジーに+0.5。こんなのケリー・ライカートとか鼻で笑っていると思う。