「大胆」で、「繊細」な、流石オスカー有力作。
まずはジャンルの見え方が次第に変化していく「大胆」な構成。
大牧場主フィルによる無茶苦茶な仕打ちを受ける立場の視点がベースにホラーのような印象をうける序盤、大牧場主フィルのバックグラウンドが見えて来る中盤、そして映画のジャンルを覆る終盤...
そんな構成だから気づける一貫したテーマ、つまりは「罪、そして絶対的な断罪」というテーマが、浮かび上がってくる。
そんな中で「繊細」なのが大牧場主フィルの捉え方、描き方。
直接的に語る野暮な事はせず、彼の言動を汲み取り、観客が繋げる事でバックグラウンドが浮かび上がる。
しっかり集中して、向き合わないと、この映画の意図について行けない映画で、観る人を選ぶ映画なのは間違いない。