友二朗

パワー・オブ・ザ・ドッグの友二朗のレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
3.8
「あの丘に何が見える?」

1920年代、アメリカ。
WWⅠ後、時代は消費社会へと移り変わり女性の社会進出も飛躍した。

その世界に生きる"男の追求"
ブロンコへのある種狂気を含む崇拝心からは何処かホモセクシャルな色彩すら感じられた。そういったものを一番嫌ってそうなのがまたフィルだという奥深さ。

大学を出て優秀なフィルが何故こんなにもワイルドな暮らしをしているのか。

なんか変なふんどしみたいなの大事にハグするシーン普通にびびった。え何が起きてます?って感じで。

細かいところでドン引きの連続だった。
誰しもが持っているヤバさ、秘密、恥ずかしさというものが観るにつれてじわじわと心に溜まっていく。

前半のピーターに対してのいじわるも心の中ではどう思っていたのだろう。恐らくフィル自身にも分かっておらず、無意識に考えないようにしていたのかも。

後半はもう完全に愛。

ピーター怖すぎ。
前半は"なんか良い奴、やなたぶん"と思いながら目線を合わせていたがふとした瞬間にちらつく狂気に段々と不安になっていく。母親を"ローズ"って呼ぶのだいぶ怖いわ。

父が言った"障害物を取り除け"という言葉がまさかこんな風に伏線回収されるとは思ってもいなかった。

1500頭去勢って。
このシーンリアルやった。

すすきから血が滴るカット美しい。

家政婦達なかなか自由で良い。
ほんでローラ可愛いな。

人の感情が揺れ動く瞬間。
台詞ではほぼ説明されないが今そのキャラクターが誰に対して喜怒哀楽のどれを持っているかが何故か分かる。見事。

炭疽症なるものを初めて知った。放置すれば急性敗血症で致死的となる。色々折り合ってこのラストだったという事。なるほどよくできている。

ピアノの一連の下り、ちくちく刺さる。
ジョージもだいぶ変。それがまた平凡に。

フィルが口笛吹くシーンの目線。

2階におるフィルとのデュエットシーンなんかおもろ。

「こっちを使うか」とか「タバコでも吸うか」とか行動を言っちゃうタイプなのねフィル。

洋画でよく「考えたんだが」って台詞があるけどいやそれ考えたって言うの?

カンバーバッチ183cmあるんにあんまり高身長に見えなかった。服装のせいかな。なんか可愛かった。

撮影期間中まじで数週間風呂に入らんだらしいけど、じゃあもうフィルじゃん。

西部劇観たことないから観るの腰重かったけど、ごめん適当な事言えんけどこれ西部劇ちゃうよね?とにかく面白かった。

読んでくれてありがとう。

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ちょっと解説読んできた。

インディアンの手袋がまさか助かる道筋というメタファーだったと。いや感服。

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「自動ピアノなんて置くんじゃなかった」

「いいもんだな 1人じゃないって」
この丘の上のダンスシーンよかった

「食事の前に風呂に入ってくれ」

「oh, That's nice surprise.」
おめっ、馬鹿にしてのか!

「事実を言え 俺は臭いと 上等だ」

「本物の男達だ」

「吠えてる犬」
「今気づいた?」
「いや最初来た時に」
「すぐ見えた?」
可愛いな。

「落ちたらまた乗れ」

「カウボーイの日焼けだ ブロンコは言った
 男を強くするのは"苦境と忍耐"だ」
「僕の父さんは"障害物"だと
 それを取り除けと」

「鏡を見ろ!女にモテる顔か!?
 カネが目当てなんだよ!目を覚ませ!」
これ言われる俳優きついな。
友二朗

友二朗