このレビューはネタバレを含みます
原作は未読。今年の色んな映画賞にノミネートされてるので遅ればせながら視聴。
かなり不親切。けど、それは悪い意味では無く物語の行間を観客に想像させるような練られた不親切さだと感じた。
物語を追っかける為の情報量は多く、丁寧に配置されているが、それをわざわざ説明しない。
中心となるキャラクターも同様で、フィルの粗野さとは裏腹に知的さや陰湿さ、ピーターのひ弱さ裏に隠れたサイコパスな内面を覗かせる場面が所々にある。
それが観ている最中には気づかないが、結末を踏まえて思い返すと途端に意味が出てくる場面になっている。
初見では冗長的に思える部分があるかもしれないが、結末を踏まえると無駄なシーンは殆ど無いんだと気付かされる。
わかりやすいエンタメ性は無いし説明もしてくれないので、ストーリーを理解できない事を苦痛に感じる人には辛い。作品の不親切さを楽しめる人の為の映画だと思う。