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パワー・オブ・ザ・ドッグのmezzopianoのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
4.0
アカデミー賞発表直前になり、遅れ馳せながら劇場で鑑賞。

登場人物4人のレストランでの出会いから緻密に計算されたシーンが積み重ねられていくが、予想と全く違う展開だった。

突然奏でられる弦の音で緊張感が増すが、ローズ が下手ながらも一生懸命練習しているピアノをフィルがバンジョーで邪魔するシーンは、2人の敵対関係を表現する印象的な場面だった。

ローズの息子ピーターのサイコパスな雰囲気、そしてラストの表情が…。
冒頭の「父が死んだ時、僕は母の幸せだけを願った。僕が母を守らなければ誰が守る?」と気にも留めなかったモノローグも、終盤の意外な展開に繋がる。おぬし、もしや父も??

終始重苦しくて不穏な雰囲気だが、計算し尽くされた心理戦で、アカデミー賞作品賞のノミネートも納得。
良い作品を観た。
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