このレビューはネタバレを含みます
若干の期限切れ感はあるとは言え、語られるべき現代的issueがズッシリと通底している本作の中で、個人的に最もグッときたのは結局終盤のタバコシーン。
内面を抉る様にクローズアップで映されるフィルとは対照的に、あくまでも距離を保ったバストショットで捉えられるピーター。
深い陰影とタバコの煙。
コディ・スミット=マクフィーの瞬きが少し多すぎる気はするが、このある意味古典的とも言える「支配と被支配の逆転」を切り取った艶冶なシークエンスに唸った。
最早「古い」のかもしれないが、こういう瞬間こそが映画なのだと思いたい。