青空ゆき

パワー・オブ・ザ・ドッグの青空ゆきのレビュー・感想・評価

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)
5.0
監督はカンヌ国際映画祭パルムドール受賞のジェーン・カンピオン。

インテリだが荒くれ者の兄フィルと繊細で紳士な弟ジョージ。

ジョージがローズ(未亡人)とその息子を迎え入れたことにより、フィルの心は大きく揺れ動く。

カンバーバッチはやっぱりすごい!

第78回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞を獲得。

2022年度、第94回アカデミー賞では最多となる12ノミネートで賞レースを騒がせ、ジェーン・カンピオン監督が監督賞を受賞!(女性では3人目の受賞)

パワー・オブ・ザ・ドッグ=犬の力。

旧約聖書からの引用らしく

“キリストが十字架にかけられる”

それを預言したものだそう。

雄大な荒野が広がるモンタナで牧場を営む兄弟。

トレーラーの口笛のシーンが超印象的な兄・フィルはカウボーイたちを束ねる頭領(ベネディクト・カンバーバッチ)

強靭な肉体をもち、頭も良く冷徹。

弟・ジョージ(ジェシー・プレモンス、アメリカの大地康雄さん)は冷酷な兄とは対象的な繊細で優しい男。

真逆の二人は互いへのコンプレックス、嫉妬、執着にざわめく。

本作の大きなテーマである有害な男らしさ、間違った男らしさ。

静かに、大きく揺れ動く人間の心の機微を見事に描ききったジェーン・カンピオン監督、見事に表現しきったベネディクト・カンバーバッチ大先生はじめキャスト陣には本当に頭が下がります(大先生が全裸で走るシーンあり!?笑)

まさに新しいウエスタン。

NETFLIXの無限の可能性を見た。

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