クラウドアトラスみやちゃん

あのことのクラウドアトラスみやちゃんのレビュー・感想・評価

あのこと(2021年製作の映画)
3.6
【観て欲しい方】2022年米国連邦司法裁判所で中絶が違法となり全米どころか世界に衝撃が走った現在、女性の当然の権利を守る為多くの人に観て頂き、歴史の生き証人となって欲しい。
このままでは世界は時代に逆行することになってしまう。

【原作】2022年度ノーベル文学賞を受賞した作家アニー・エルノーの若き日の実体験をもとにつづった短編小説「事件」を映画化。

【監督】「ナチス第三の男」などの脚本を手がけたオドレイ・ディワン。
本作で2021年・第78回ベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞。

【あらすじ】法律で中絶が禁止されていた1960年代フランス。望まぬ妊娠をした大学生の妊娠12週目にわたる戦いを、主人公アンヌの目線から臨場感たっぷりに描いていく。

教職希望のアンヌは持ち前の知性と努力で全寮制の大学に進学。あと少しで卒業にも手が届こうとしていた矢先、卒業試験を前に自分が一夏の恋で妊娠していることに気づく。
中絶が違法とされる中、相談した医者には他に選択ができないのだから妊娠は受け入れるしかないと諭されるのだった。
勉強を続けたいと解決策を見いだすべく暗中模索するアンヌだったが…

【感想】わたしは妊婦さんが痛い思いをするのが人生で一番耐えられないので本作を観るのが怖かった。(スリーウイメンが人生一のトラウマ映画ですし。。)でも冒頭で書いたように歴史の証人となるべく本作を観ました。
改めて思うのが、中絶が違法などという制度は完全に男尊女卑の成せる技であり、そんなものとはすぐさま決別しなければならないということ。
今後我が国では中学生になったら学校で「17歳の瞳に映る世界」「プロミシング・ヤング・ウーマン」「スリーウイメン」「透明人間」の全てを鑑賞することを義務化しなければならない。
わたし、みやちゃんが総理大臣になる時には選挙公約の一つに掲げたいと思っている。グハグハ😆

【キャスト】「5月の花嫁学校」のアナマリア・バルトロメイが主演。ルーマニア出身の彼女のポスタービジュアルの強烈な目力によって映画を観ようと思った方も多いと思う。その人は、お目が高い。彼女はベネチアでの金獅子賞で一躍時の人となり正に「ヤング・プロミシング・ウーマン」となった。
今後はレア・セドゥのようにハリウッドでも活躍することに早々になるであろう。
「5月の花嫁学校」、衝撃のデビュー作「ヴィオレッタ」はどちらもU-NEXTさんで観れるのでぜひぜひ観て欲しい。

「燃ゆる女の肖像」のルアナ・バイラミ。彼女も燃ゆるでスターダムにのし上がった。燃ゆるでの印象に残る演技を覚えている方も多いだろう。「キャメラを止めるな!」にも出てくれている。コソボ共和国に生まれ、7歳のとき家族でフランスのパリ郊外に移り住んだ。