舞台は法律で中絶が禁止されていた1960年代のフランス。 予期せぬ妊娠をした女子大生アンヌはどうしたか。
妊娠は女が1人で出来るものじゃないのに、望まない妊娠は女だけにすべての責任がのしかかる。
成績優秀な彼女は学業に専念したいし、出産で人生を棒に振るのはイヤ。 だけども中絶は違法。
友人も、妊娠させた相手も、医者も誰も彼女に手を貸さない。 孤立と絶望と焦燥の中で時間だけが無情に過ぎて日に日に育って行く胎児。
肉体的にも精神的にも背負うモノが大き過ぎる。 妊娠してしまった彼女だけが周囲から置いていかれ、人生の選択が無くなるのだ。 未来が閉ざされる。
第三者は色んなことを無責任に好き勝手に言うのだろう。
なかなか生々しいシーンが多く、観てる側も痛みに顔が歪む。 凝視出来ない男性もいるかもだけど、 敢えてしっかりと生々しい真実を描く事で、女性だけに大きな負担と命懸けの犠牲がある事、彼女の孤独と心と体両方の痛みを訴えているのだと思う。
そして体当たりで演じ切った主演女優の根性と、現実の女性の痛みを知る為にも背けずにしっかりと観て欲しい映画だと思う。 わりと女性は、産後の処置やがん検診、婦人科の治療等、普段から普通に痛い思いしてる人多いと思うから。
