1960年代、中絶が違法とされていたフランスで大学生のアンヌが予期せぬ妊娠をする。学位を諦める事はできない彼女が一人で悩み堕胎の方法を探していく。
観終わって体力消耗が凄くて血の気が引いていた。精神的にもキツく痛々しい映像とひたすら続く絶望に目を瞑りたくなる。これを胸糞で括りたくないけど、まあ胸糞悪いです。こうなるまでの過程がなく、既に妊娠している状態からアンヌの当事者目線で進んでいくのも余計追い込まれてきつかった。
そして周囲の大人や友人達にはどうしようもできない上に、子供の父親は当事者意識ゼロ。時間が経つにつれお腹は大きくなり、方法も尽きてくる。
元々の性差はどうしようもできないから、身体的な差から生じる不公平を社会の仕組みで公平にできる世の中になるのが理想だなと。
映画の時代設定が約60年前だから昔は〜みたいな話で捉えられるけど、今も同じような地域があり、なんならここ数年で中絶禁止の州法が成立していたり宗教的な絡みや諸々あるにしろ選択の余地がないのは呆れて悲しさしかない。子供を産む産まないが選べる日本幸せ、とか他人事のように思いたくないけど、自分で生まれる場所は選べないからタチが悪い。
これU-NEXTでレンタルして2回目はキツくて観れなかった。というか連続で何回も観る話ではないのだけどね。淡々と地獄が増していくので、気持ちに余裕がある時に是非。
