Kaz66

モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーンのKaz66のレビュー・感想・評価

3.9
『次世代のタランティーノ』の評通り、バイオレンスをポップにスタイリッシュに描くアナ・リリ・アミリプール監督の長編第3作目は、サイケでダークなおとぎ話。
長い間精神病院に隔離されていた、決して微笑まない“モナ・リザ”、赤い月の夜彼女は突然覚醒し、サイキック・パワーを手に入れる…。
モナ・リザ役に「バーニング」「ペーパーハウス・コリア」のチョン・ジョンソ。モナ・リザを助け利用する底辺の生活をおくるシングルマザーのボニー・ベル役に「あの頃ペニーレインと」のケイト・ハドソン。ボニーの息子、幼くして人生と母親に怒りを抱えた少年チャーリーにヴァン・ウィッテン。
イカれた2人とサイケデリックな刺激と快楽の街ニューオーリンズを切り取る撮影は、「ミッドサマー」「ヘレディタリー」のパヴェウ・ポゴジェルスキと、万全のスタッフ・演者でネオンカラーのおとぎ話をスクリーンに映し出します。
中盤少し中弛みがありますが、終盤チャーリーとモナ・リザが美しい絆を結ぶ姿は観る者たちの胸を揺さぶり、エンディングは次回作への繋がりを期待させます。
コレは僕の好きな感じのヤツでした。2023年最後の劇場鑑賞、いい作品に出会えました。
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