ーcoyolyー

アビエイターのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

アビエイター(2004年製作の映画)
3.7
スコセッシは映画作りが上手いなぁ。皆知ってることだけど改めてそう思う。これ長いよ、長いんだけど捨てカットがない。恐らくもっともっと長い5時間くらいのものから泣く泣く切って切ってそれでもこの長さでもっと切れという配給サイドともう切れません!という制作サイドの落とし所が3時間弱だったんだと思う。『沈黙サイレンス』もそのくらいの尺だったから、2時間半〜3時間の間のスコセッシと配給の毎回の攻防で映画1本できそう。そしてまたその映画の尺でも争うの見てみたい。

この時代の飛行機って今の宇宙みたいなもんだよね。今の時代だと前澤さんとかホリエモンとやってること一緒だよね。空飛んで女性芸能人侍らせて。男が金持つとこうなるんだという陳腐な典型なんだなって思いながら観てたらアラン・アルダだ!『ザ・ホワイトハウス』のヴィニック議員だ!今回のアラン・アルダはどっち?共和党?民主党?とドキドキしてたら共和党!アラン・アルダには主人公の敵役の共和党議員がよく似合う!終盤で唐突に『ザ・ホワイトハウス』脳が満たされたので何だかもうそれで良くなってるところあります。ケイト・ブランシェットのキャサリン・ヘップバーンもむちゃくちゃ良かったので前半ケイトのターン、後半アラン・アルダのターンの前後編として脳内で勝手に分割されました。だから感覚としては1時間半の映画2本観た気分になってる。長いんだけど映画2本観ると思うと丁度良い塩梅です。
結構それはスコセッシとあのスコセッシ映画編集でお馴染みの相棒女性が苦肉の策で狙ったものだと思うので、映画の作り手としての匠の技を楽しむと良いです。編集凄い。終わり方キレてる。多方面に色々キレた結果あれで終わらせた気がする。ああしないと5時間コースになるから素材バッサリ切るためにあの2人がああいうキレ方したんじゃないかと思ってる。
ーcoyolyー

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