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アビエイターのTPのレビュー・感想・評価

アビエイター(2004年製作の映画)
3.5
 強迫性障害を持ったヒューズは、晩年は奇人としての生涯を送り、表立って燦然と歴史に名を残した人物ではないものの、特に航空機にかけた執念は、その目を見張る発展振りに大きく寄与したはずであり、彼のエネルギッシュな生き様と合わせ、映画女優とのスキャンダルにも事欠かない“色”の部分でも、映画としてとても魅力的な題材である。ただ、彼自身は190cmの大男で、小柄で痩せ型のレオは、成りきり演技は文句ないが、イメージ的に違和感を感じてしまう(特にアメリカ人にとって)のは致し方ないところか。

 ここ数十年、伝記として語れるほどの人物がほとんど出ていないし、そうなるほどおおそれたことをできる時代ではないため、最近は伝記物は一般受けしないが、昔はよく製作されていたジャンルで、本作は3時間という長尺ながら、巨匠スコセッシは丁寧に、メリハリをつけ、昔の伝記映画に劣らず格調高く仕上げていて、これはこれでよくできた作品であるが、映画、航空機への2点の情熱の矛先、女優たちとのスキャンダル、精神的な病という接点の少ない題材をそれぞれ丁寧に描き、生涯の中盤で終わってしまうため、なんとなく人物像がぼやけてしまった感は否めない。
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