全米同時多発テロが起き、38機もの航空機がニューファンドランド島のガンダー空港に緊急着陸する。人口1万人の町に7000人もの乗客と乗務員が滞在することになり大混乱が起きるが、町の人々は彼らを温かく迎え、人々の交流が始まる。
ミュージカル舞台の映像化作品。これが配信で観られるというのは嬉しい。
2001年のその日、その時を描くドキュメンタリーとしての面白さも味わえる。
前半は機内で情報が入らず、待たされた人たちのイラつく場面が続く。予想どおり酒を飲みまくりの人は多かったようで、舞台も笑いがあちこちに散りばめられて飽きないつくりになっていた。特にゲイのケヴィンが面白かった！
もちろん笑いだけでなく、乗客たちの不安と欲求の対象が変化してく様子が、演技と歌で絶妙に表現されていた。
同じ役者が町民や乗客などいくつもの役柄を演じているのに、違和感がなく斬新で面白い！！
人種と宗教がごちゃ混ぜになる中で、クライマックスの一つ、“私を平和の懸け橋にしてください” と歌う場面には、無宗教の自分も感動させられた。
後半はちょっと平坦で退屈になったけど、終盤にまた静かな感動と温かい笑顔が溢れる。確かに島の人々は素晴らしかったけど、こんな出会いじゃなければというのが本音だろう。
話が話なだけに単純なハッピーエンドとはいかないけど、十分に楽しめたエンターテインメントだった。
