sayayume

シネマ歌舞伎 桜姫東文章 下の巻のsayayumeのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

深窓の麗しき令嬢であった桜姫はさらに堕ちていく。権助に添うようで姫の顔は棄てず、清玄の執着も振り払う。本来の生命力と凄みがクリアになったようにも見える。そしてため息がでる美しさ。玉三郎さんの唯一感。
比べて清玄や権助の世界は広がらない。清玄は白菊と共にもう死んでいるようで、権助はただただ良心薄い小悪党だ。が、荒れても美男、荒んでもいい男。仁左衛門さんは三役の演じ分け、鮮やかで隙がない。(いつも思うのだけどサイコな姿ほど凄惨に素敵)
フィクションだから、南北だから、話は急展開、大団円。歌舞伎、人間の諸々を見せながら芸で別世界を造る。時代も実年齢も軽く超えて。
映像として残ってよかった!
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