ポルりん

ヤツアシのポルりんのレビュー・感想・評価

ヤツアシ(2021年製作の映画)
2.0
■ 寸評

ブラック会社に勤務している男が巨大タコになって、復讐するといった話。

今時、これだけ手作り感あふれるミニチュアも、そうないだろう・・・。

ミニチュアにタコを乗っけているだけ。

でもなんかいい。

愛着がわく。

どうせだったら、特撮部分だけでなく、実写部分も手作り感溢れるものにしたら、結構バランスが取れていいと思うのだが・・・。


■ 会社


一応、タコになる人は会社のお荷物的な、出来ないキャラクターとして描かれている。(容姿的にもデブで如何にも出来なさそう)

所長はそのデブに向かって、


所長「なんだね・・・。この営業成績は!!」


とブチギレており、周りの人もそれを見てクスクスと笑っている。(よくブラック会社の空気を表現するのにありがちな手法ではある。)

これで本当に営業活動をして、成績が悪いのならある程度は理解が出来る。



紙をひたすら折るような作業しか与えていない。


ただ、彼の仕事を見ている限り、彼が出来ないというよりも、上司やその周辺にいる社員たちが彼に適切な仕事を与えていないようにしか見えない。



所長「昨日の企画書どうなってる??これで出来たつもり!!!社長もお前にカンカンだぞ!!」


ん??

所長の話を聞いている限りだと、デブは企画書を社長に直接メールしたと思うのだが・・・。

普通は、社長に直接見せる前に、所長や直属の上司にチェックをもらってから、社長なりに提出すると思うのだが・・・。

はっきり言って、企画書の内容よりも、まずそっちを𠮟るべきじゃないのか??

そっちの方が遥かに問題だぞ!!


しかも、話によるとこの企画書1つで会社が傾くかどうか決定する重要なものらしい。

企画書一つで会社が傾くとはとうてい考えられないが、1億歩譲って、仮に傾くとしよう。

じゃあ、何でそんな大事なものを会社のお荷物とされているデブに任せるんだ??


マジでアホだろ!!!


いずれにしても、企画書一つで会社が傾くかつ、無能所長がいる会社なんてすぐに潰れると思うけどな・・・。


■ 記者会見


総理大臣のバックに国旗議事堂の議場の議長席が見える。

普通、総理大臣が国民に重大情報を伝える場所って永田クラブとかじゃないの??

仮に議場で話すにしても、普通は議長席に立って話すんじゃないのか??

何で議長席が、かなり後ろに見えるんだ??

この映像では、総理大臣が3mを超える巨人か、舞空術をしながら国民に発しているようにしか思えないぞ!!

製作陣は恐らく、このキャラクターを総理大臣だと明瞭化するために、永田クラブではなく議場を背景にしたのだろうが、違和感しかない。


それと、中継にもかかわらず「内閣総理大臣〇〇」のテロップしかないのはおかしいだろ!!

普通は、左上の方に「緊急!!東京に巨大タコ出現!!総理会見!!」など右上に「LIVE中継」などを入れるだろ!!!

そんなに手間も掛からないだろうし、入れた方が遥かにリアリティが増すぞ!!(気になる人は『大学生のための動画制作入門』)

それと、多分議員バッヂのつもりなんだろうけど、スーツに穴が開いて、綿が飛び出てるようにしか見えない。



■ 主人公の必要性


主人公は新人となり、無能クソ上司+所長とデブを第三者の目線で見ている、全く魅力的でないキャラクターとなっている。

だから、当然主人公に感情移入などできない。

ギリギリ感情移入出来そうなキャラクターといえば、デブくらいなのだが、それもバックボーンが分かりにくく、素直に感情移入しにくい。

存在価値のない主人公に、無意味なモノローグを入れるくらいなら、デブを主人公にして、己の苦しみや社会・会社の不満などをモノローグなどを入れた方が、感情移入しやすくていいと思うのだが・・・。
ポルりん

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