このレビューはネタバレを含みます
あまたの子どもたちと同じように
将来の夢を聞かれたバディが
目を輝かせて答えたのは
"サッカー選手になる
キャサリンと結婚する"
大好きな祖父母と一家で暮らすベルファスト
その地を離れてロンドンへ移住する決断
別れ際のパ、の粋な計らい
彼女へ贈るのは、可憐な花束と「戻ってくるよ」
あの子と結婚できる？カトリックだよ？
ヒンドゥーでもバプテストでも
優しく寛大で
お互い尊敬し合えれば 大歓迎さ
あのアイルランド紛争の最中に
暖かく息子にそう言えるパ、と
カトリックの商店襲撃に巻き込まれて
"地球に優しいから"と盗んだ洗剤を
命がけで返しに行くマ、
わからないのは聞こうとしないから
答えが一つなら戦争は起きない
愛嬌たっぷりに生きる指針となる名言を呟くおじいちゃん
そして
映画館で画面にツッコむ
最高にチャーミングなおばあちゃんが
息子一家を見送る
「そうよ 行きなさい
振り返らずに
大好きよ」
007
サンダーバード
アガサクリスティ
そして マイティソー
胸に大切にしまっておいている宝物を
ひとつひとつ取り出して
懐かしさと 少しの哀しみも
ケネスの想いに
ベルファスト出身のヴァン・モリソンの
音楽が寄り添って
そう
バディの夢は３つあったはず
聞けなかった最後の答えは
映画監督になる、かもしれない
