アカデミーで脚本賞を受賞した作品。
何もない平凡な日常が、宗教による対立によって一変してしまうという感じが、中々恐いところだなぁと思う作品です。
故郷のベルファストを離れたくない妻と、新天地を求める夫とのいさかいなど、脚本賞を取るだけあって、色々な要素が楽しめる作品だったという印象でした。
ラストの去っていく一家を見送り、独りで寂しく佇むお婆ちゃんの感じが、どことなく「東京物語」とかを感じさせるような終わりで、ちょっと悲しい感じでした。
冒頭の現代の発展したベルファストの綺麗な映像から、過去のモノクロ映像に切り替わって、昔の話として描くような手法など、上手いなぁと思わせる構成だったと思います。
今でも、ある日突然、日常が一変するような事件が起きている中、こういう歴史的な過去を映画として残していくことは、重要なんだろうなぁと思います。