うえびん

ベルファストのうえびんのレビュー・感想・評価

ベルファスト(2021年製作の映画)
4.3
あの街この街

2021年 イギリス作品

主人公、9歳の少年バディを演じる
ジュード・ヒルの演技がいい

勉強と遊び、初恋
映画の世界への一喜一憂
神への信仰、両親のケンカ、祖父の病気
ギャングの悪行…

「良い道」と「悪い道」
「プロテスタント」と「カトリック」
「住み慣れた街」と「未だ見ぬ街」
「無知」と「未知」

多感な少年期の心情が思い出される

兄さん、母さん、父さん
ばあちゃん、じいちゃん
ケンカしたり、仲直りしたり
家族みんなの演技もいい

父さんが
「ばあちゃんはいつも心配、母さんも」
「愛情深い人だからな」と言うように
母さんから感じられる愛
夫への愛、子どもへの愛、家族への愛
そして、郷土愛

家族みんなから
アイルランド人としての誇りが感じられる

「家族みんなが味方」
「それが分かっていれば不幸にならない」
じいちゃんの言葉は
バディの生涯の支えになるだろう

「アイルランド人は根っからの旅人」という
ばあちゃんの眼差しがいい

ベルファスト出身のロック歌手
ヴァン・モリソンが手掛ける音楽もいい

街と人を映すカメラワーク
モノクロとカラーの映像の使い分けがいい

旅立ちの日
何にも言わない家屋や街さえが
心あり気に見えた

ダニー・ボーイの歌詞のように
「私はここで待っている」と
うえびん

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