このレビューはネタバレを含みます
子どものバディの視点を通じて、宗教弾圧で揺れるベルファストの街が描かれる作品。
直接的に人が殺されたりするシーンはなく、多くの犠牲者が出ていることは会話でのみ暗示される。けど、だからこそ、バディ一家の会話の表情から、穏やかな生活に迫ってくる不安や戸惑いが伝わってきた。
私は無宗教なこともあり、プロテスタントとカトリックで宗派が違くても、それはそれで良くない?とか、そもそもキリスト教で一つなのにどうして仲良くできないの?とか、本当何なのよ〜と過激派に対してモヤモヤしっぱなしだった。人それぞれ好きなこと、大切にしたいことが違うのは当たり前のことなのに…。
テーマ自体は非常に重いので、バディの祖父母のウィットに富んだ会話や、バディの憧れのクラスメイトとのやり取りが挟まれ、悶々としすぎずに見ることができ、大半救われた。