モノクロの画面。
ジェイミー・ドーナンが、”Everlasting Love”を歌っていた。
つられて踊り出すカトリーナ・バルフ。
予告編だけで、この映画に恋に落ちた。
監督ケネス・ブラナーの半自伝的作品。
1969年、アイルランド。
プロテスタントとカトリックの確執を背景に、家族を描く。
故郷を選ぶことはできない。
そこにとどまり生涯を終える者。
そこを去り、二度と戻らない者。
戻る理由を失っても、戻る者。
どのような故郷であれ、どのような者であれ、故郷は永遠につきまとう。
夜道、振り返ると、常に着いてきているように感じる月のように。
振り返らなくても、そこにあるのを知っている。
静かに見守ってくれているのを。
ラスト、ケネス・ブラナーの3つの献辞を見ながらふと思った。