菩薩

沈黙は金の菩薩のレビュー・感想・評価

沈黙は金(1946年製作の映画)
4.2
パリの街と映画の撮影所を舞台にした三角関係モノ、ってこの時点で傑作そうな雰囲気しかない。以下出場選手↓

①、エミール

撮影所の所長にしてプロデューサーから監督から何から何まで熟す超敏腕にして、女にはまるで苦労しない超ジゴロ。それ故に独り身だが、実はかつて愛した人を忘れられずにいる一途な一面もあり、そんな彼女の面影を残す娘に心を奪われてしまう。困っている若者を見ると放っておけない性質、撮影所の面々にマドレーヌに対しての接近禁止令を出す、面倒見の良いジジイ。

②、ジャック

エミールを師であり父と仰ぎ、同撮影所では助監督、大道具など裏方で精を出し役者も務める働き者の好青年。顔面スペックは高いのに、惚れっぽいうえにどうも女性に対して入れ込んでしまうせいか恋愛下手。エミールに恋の手ほどきを受け如実に成長を遂げるが、その相手がエミールと同じだから困った…。

③、マドレーヌ

売れっ子芸人を父に持つ可憐な娘。その母と言うのが実はエミールがかつて愛した人。父親は父親で相手役の女優とよろしくやっているもので邪険に扱われ、エミールの元でお世話になる。撮影所で女優として活躍し出した頃にジャックと出会い、お互い恋に落ちるが、二人揃ってエミールに恩義があるし…どうしよう…。


ってのが大体のあらすじも含めた人物紹介。これどっかで観たことあるなぁと思ったら…そうだ!寅さんだっ!と割りかし序盤に気付く。まぁ寅さんはそんな立派でも無いし女に不自由もしている訳だけど…。バッチバチの鞘当てになる訳では無く、どうにかして世話になったエミールを傷つけたくは無い、けど幸せにはなりたい!とのもどかしさ爆発の展開に。エミールも自分が手ほどきした相手とあってちょっとバツが悪い。三人の微妙な交錯具合、ジャックとマドレーヌのお忍びイチャコラ、全てを受け入れたエミールが下した決断や如何に。ラストシーンが大変お洒落で素敵やん、ハッピーエンドがお好きなあなたはきっとお気に召すでしょう。やっぱ寅さんとは大違いだ…。
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