とりん

ムーンフォールのとりんのネタバレレビュー・内容・結末

ムーンフォール(2021年製作の映画)
2.6

このレビューはネタバレを含みます

2022年77本目

「インデペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」など、圧倒的な迫力ある映像でさまざまなディザスタームービーを作り上げてきたローランド・エメリッヒ監督の最新作。
今回は劇場公開ではなく、Amazon Prime配信限定の映画となった。
先にあげた作品はまだ良いが、それ以降の作品はご都合主義感が強く、やりたい放題なディザスタームービーを作っている印象。
だからストーリーも特になく、どう地球が危機に陥っていて、どういったご都合主義でそれを切り抜けるのかというだけであり、あとは映像で魅せてくれる。
今回は月が地球に衝突するという思いつきそうで誰もやってこなかった設定。その設定自体はワクワクさせるものがあるけれど、それ以外は全然そうでもなかった。
しかも月が落ちるという設定はあくまで序の口でしかなく、本質、真相はもっと凄まじくぶっ飛んだ設定である。
細かく言うとあまり言うとネタバレにしかならないのではあるが、簡単に言うと先祖が作ったAIが反乱を起こしたというものだ。
月が巨大な建造物であるという突拍子もないとんでもない設定から始まり、実は人類の成り立ちは今回が初ではなく、以前とんでもなく発展し繁栄した祖先が、反乱を起こしたAIから逃げた末裔であり、人類存続と新たな発展のために月を作ったと言う、とんでもなくぶっ飛んだ設定だ。
ここまでのレベルはあまりにも空想論すぎるし、よくよく考えるとありえなくもない設定かもしれないけれど、それにしては説を立証するものが弱いと言うか説得力に欠ける。
そして安定のご都合主義、ツッコミどころ満載なのは変わらず。序盤から割とB級ディザスターの雰囲気があり、映像技術が発展した今ではこのくらいの地球滅亡感を見せられても新鮮味はそこにはなくて、正直そこまでそそられるものはない気がする。もう少しマシなストーリーがあればよかったかも。
130分という時間も少々長く感じてしまうし、テンポ感も良いとは言えない。無駄に感じるシーンも多く、どうしてそこでそういう行動をとか壮大な設定の前にもっと詰めるところあった気がする。
まぁこういうB級感やご都合主義感含めて、評価できるものではないけれどSF大好きな自分としてはこういう作品は嫌いじゃない。
お金かけてこういうやらかした作品作ってくれるのは逆に清々しい。2時間以内に収めるくらいにコンパクトにしてくれると嬉しいが。
とりん

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