mam

世界で一番美しい少年のmamのネタバレレビュー・内容・結末

世界で一番美しい少年(2021年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

映画出演後タッジオとして表舞台にでる事を余儀なくされ、大人たちの餌食となってしまうビョルン・アンドレセン。
繊細で内気な少年には耐えがたく、その後の人格形成にも大きな影を落としてしまう...。

日本での玩具のごとき扱われ方に愕然とし、日本語での歌まで出させてアイドルに仕立て上げようとする業界の闇...。
(ランナウェイズのシェリー・カーリーにグラビア撮影させてた時の気持ち悪さを思い出した)
オスカルのモデルだったらしく敬愛する池田理代子先生が出てきた時には複雑さMAXで何とも言えない気持ちになる。

ビョルンの生い立ちがもう可愛そうすぎて。妹とは11ヶ月しか離れておらず父親も違う上、自身の父親は誰だかわからない。妹とは仲良しだったみたいだけど、精神的に不安定な母親からは愛情を受けられず孤独な幼少時代を過ごし、失踪してしまった母親は山中で遺体となって発見される。母親の呪縛なのか...絶望的な孤独感は生涯彼を苦しめる事になる。(でもお母さんすごくビョルンに似てるのよね)そして映画に出るよう促した祖母もお金に目が眩むようになり...。
結婚して子供も2人授かるけれど、下の男の子を乳幼児突然死症候群で亡くしてしまう。自分を責めすぎ鬱とアルコール依存で離婚。大切なものを次々と失っていくビョルンが哀れすぎて...。

観るかどうか迷いに迷っていたけれど、ビョルン・アンドレセンという人物を知るには観てよかったと思う。
ただ再び「ベニスに死す」を鑑賞する時に、当初のような純真な気持ちで観ることは出来なさそう...。

2024-151
mam

mam