キョン太

ワース 命の値段のキョン太のレビュー・感想・評価

ワース 命の値段(2019年製作の映画)
3.6
9.11の多数の犠牲者への補償金がどのように決められたのか、という話。実話ベース。

大掛かりな訴訟を避けるために金銭が配られることはすぐに決まり、当初は犠牲者の職業や賃金などをもとに計算していくことになる。
けれども現実を見てみれば、家族を失った悲しみに打ちひしがれたり、立ち上がる力を失っていたり、法律の壁に阻まれてなにも受け取れなかったりと事情は様々。

あれたけの事件で、被害者も大勢で、期間も限られていて、よくもやり通せたなと感心する。
お国柄もあるのだろうけど、ひとりひとりに真摯に向き合うと決めて、やり遂げたのはすごい。
人が突然死に見舞われた時、思いがけない真実が明らかになったりして、というのもあるよね。
正直、隠し子かいたので……とか言われても困るよなあ。そんなことにまでしっかり向かい合うなんて、おそれいりましたという感じ。

映画としては淡々としているけれど、9.11がどれだけ大勢の心に影を落としたのか、こんな風に働いてくれる人がいるのだとか、思い知る内容だった。
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