みむさん

ストロベリー・マンションのみむさんのレビュー・感想・評価

ストロベリー・マンション(2021年製作の映画)
3.8
変な映画だったが風刺が効いていて面白かった。

雰囲気はウェス・アンダーソンにデヴィッド・リンチ混ぜたような感じだが、描かれる内容はアドベンチャーロマコメと社会風刺のようだった。

2035年、夢は課税対象になり、夢を適正に記録してないイザベラ(ベラと呼ばれている)は監査員プレブルの調査の対象となる。
※トライベッカ映画祭で観た「Land of Dreams」も国勢調査局で働く主人公が国民の夢を収集記録するっていう設定だったのを思い出した。

VHSに記録されたベラの夢にブレブルが入り込み、若き日のベラと恋に落ちるがそこで国があることをコントロールしていると気づく…!?

アルゴリズムが生活のあちこちに侵食し、消費行動は分析され、気づかぬうちにターゲットにされ広告はデジタルの足跡を追うように出てくる、そんな日常をファンタジックでパステル調の世界観で描き、時折ホラーっぽさも交えながら独特のテイストで突き進む。
近未来の監視や管理ばかりのディストピア的な社会や陰謀めいたものも感じる部分あったが、たぶん上記の風刺なんだと思う。

辻褄合わせをしようなどとは考えず、ぶっ飛んでいながらさほど複雑ではないストーリーに身を任せて観るのが良い映画。

近未来スリラーにもホラーにもなりそうなネタを奇想天外な描写とちょいちょい毒を混ぜながらふんわり仕上げにしたって感じだった。

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