あお

ちょっと思い出しただけのあおのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.3
6年にわたって同じ日を振り返っていくストーリー。何気ない日常。
展開が逆だから観る側も半分想像で話を繋げていく。

撮影期間がコロナ化のオリンピック真っ只中だったそうで、そこから遡っていくから世の中の変化が感じられて興味深い。

主演の2人の演技はとても自然で、本物のカップルの生活を盗み見しているようだった。
ちょっと恥ずかしいようなセリフとか出てきたりするけど、それはそれで可愛いなって思った。
2人にしかわからない会話ってあるよなって。
東京で撮影という事でよく見ている風景の中でストーリーが展開されていて、自分の思い出と少し重ねてちょっと思い出して観てしまう。

ジムジャームッシュに影響を受けてクリープハイプの尾崎世界観さんが曲を作り、それを元に松居大悟監督がストーリーを考え、さらにジムの映画に出た事がある永瀬正敏さんが出演という。
前情報見ずに上映後の松居監督と永瀬さんの舞台挨拶で細かい事を知った。
今から見る方いれば、永瀬さんの意見を取り入れた彼の衣装に注目。私は注目していなかったからまた見たい。新たな発見沢山ありそう。

印象深かったのが、お2人が劇場に足を運んだ観客に何度もお礼を言っていた事。
映画が本当に大好きなんだなと思った。
コロナ化で制限されている事がある中で、この状況だから生み出せた作品だと話されていて前向きに感じた。
エンタメ業界、応援したい。

ジャンルは違えど物を作る仕事をしている身として、制作出来る事、世に出せる事をとにかく感謝しているのは素敵だなと余韻に浸った。
あお

あお