ボギーパパ

ちょっと思い出しただけのボギーパパのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.3
2022-16 kinoみなと

先日疲れていたのに観に行った『フレンチ・ディスパッチ』に完敗したので、睡眠十分、気力充実で公開初日に臨戦。

今をときめく伊藤沙莉主演の本作、楽しみにしていました。好きなのです。彼女の自然体というか飾り気のなさというか。全てを受け入れたくなるのです。自分にあんな妹が居たらどんなに良かったか、オズワルド伊藤さんはホントに羨ましい!

ソフィスティケイトされた音楽と合わせた予告編も素晴らしく、思わせぶりのタイトル『ちょっと思い出しただけ』・・・

まさにその通りの切ない話。
劇中の映画ジム・ジャームッシュ監督作『ナイト・オン・ザ・プラネット』観てないけど、きっと切ない話なのだろう。
松居監督は尾崎世界観さんの曲『ナイトオンザプラネット』に着想を得て脚本を完成させたとのこと。曲の切なさが作品の芯になっているだけにジンとくる。鼻の奥がツンとなる。切ない・・・

光と影を意識させる作品。葉がタクシーを走らせる夜の光景、まだ明けきらぬ朝の部屋の薄暗さ、東京タワーのライトアップ、誕生日🎂ケーキのキャンドル、そして照生の仕事である照明、夜の水族館。そして全体的に暗から明のシーン展開も。なんとも言えない光と影の表現が素敵だった。切ない・・・

正直、構成を把握するのに少々手間取った。ははぁ、そういう事ねと納得したのが、進行少ししてから。カレンダーからのパンで時制を捉えるのね。猫が小さくなっていく(^^)
物事を捉えるのに、何故そうなったのかを遡って考えることは重要。歴史の勉強するときなど効果的なのだが、本作はまさにそれ!ターニングポイントはどこなのだろう、そこをちょっと思い出すことによって確認したい時もあるよなぁと共感!

『花束みたいな恋をした』を逆再生したのかと思うくらい。
あの作品も相当切ない作品だが、あの切なさとはだいぶ異なる切なさ、、、個人的にはコチラに軍配。

照生と葉の青春の6年を切り取り、逆に並べる。その結末から逆再生することによって、誰でも持っているだろう青春のほろ苦いリグレットと、少し甘い思い出が同時に呼び起こされる。

以下蛇足









スパイスとしての永瀬正敏、國村隼、ニューヨーク・屋敷も良い味出してる。特に屋敷は最初影で誰かわからなかったけど声でわかる。ああいう人なんだろうなと思わせる。國村さんもゲイ役似合ってる(^^)一方、高岡早紀どこに出てた?

そして池松壮亮、が憎い(^^)
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