笑わせてよ

ちょっと思い出しただけの笑わせてよのネタバレレビュー・内容・結末

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

あまりにも生々しくてリアルでうわあ…となる部分もありつつ、でも時間経過や細かい描写が記憶に残る面白い映画だった。
私が「花束みたいな恋をした」が好きなのを知っている友達におすすめされて観た映画だけれど、確かに「エモい恋愛」が好きな人にとっては大好物な映画だと思う。

【あらすじ】
タクシー運転手をしている葉と劇場の照明スタッフをしている照生。物語はすでに2人が別れてしまった時点から始まる。照生の誕生日である7月26日の記憶を1年、また1年と遡り2人の思い出や喧嘩、出会いの瞬間まで6年間の大切な記憶が丁寧に描かれていく。現在はそれぞれ違う道を歩む2人の人生も過去には確かに交わっていた、そんなことを「ちょっと思い出しただけ」。

最初は何の説明もなく物語が始まり、葉と照生の平凡かつ退屈な生活が淡々と描かれていき、「んんん?」となるけれど、「壁の電子カレンダー」に要注目!!少しすると「なるほどなるほど、あの時の描写はここのためにあったのか!」と納得出来るようになるし、現在の一瞬一瞬の物や言葉が過去のシーンへの伏線だから気を張って見る必要がある。
1年、また1年と時が遡っていき2人の楽しかった思い出を観ている私達も一緒に追体験していくというなんとも珍しい構成。ある意味起承転結がぐちゃぐちゃだから綺麗にまとまっているのが凄いと思う。


最後の葉のシーンは…虚しさを感じてしまったなあ〜でもまさに映画の題「ちょっと思い出しただけ」を体現していた。現実って綺麗な恋愛漫画とは違う、こんなもんなんだよって突きつけられた感じ。でもここでタイトルコールは鳥肌たった、、、。


この映画はクリープハイプの「ナイト・オン・ザ・プラネット」という楽曲から着想して作られたらしいのだけど、確かにナイト・オン・ザ・プラネットの歌詞を端々に感じた。「2人で見たあの映画」「いつの間にかママになってた」。尾崎世界観さんもちゃんと出演しているのは笑えた笑

最初にも書いたけれど、「花束みたいな恋をした」が好きな私にはすごく良かった。でもあれよりも会話とか生々しいし、葉と照生が30くらいっていうのもあってより現実味を帯びた大人な感じの雰囲気。にしても伊藤沙莉ちゃんのハスキーな声、好きだなぁ〜。是非観てみてください!!
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