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ちょっと思い出しただけのデイのレビュー・感想・評価

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.5
余韻ヒタヒタ…
しんみりと涙…。

もう8月になってしまったけれど、ちょうど今ぐらいの季節の映画ですね。

私が観たのが7月の29日から30日の深夜。

夜中にシッポリと観る映画として、これ以上、ピッタリな作品ってあるのかなー?!!

池松壮亮、久々に見たなー。
しかも髭が無い…。

最初は、少し設定を飲み込む事が出来無かったけれど、
7月26日
池松壮亮演じるテルオ(照男)の誕生日の1日を描いていて、
その"7月26日"という1日を過去に遡って描いてある作り。

タクシードライバーの仕事をしている伊藤沙莉演じるヨウ(葉)

と別れた後から、別れ、幸せだった日々、付き合ったキッカケ、そして出会い。
と遡って行く。

ジムジャームッシュの"Night On Earth"
のウィノナライダーを真似して、
テルオを助手席に乗せて、
ガムを噛みながら煙草を吸うヨウ。

2人は笑い合う。

劇中にもナイトオンアース(ナイトオンザプラネット)のウィノナのシーンの映像が流れて来て
「あなた、女優にならない?」テルオ
「私にはシッカリとした人生プランがあるの。整備工になって、その後は結婚して子供を持つのよ。」ヨウ

セリフを真似して笑い合って

テルオの誕生日ケーキの生クリームでベトベトにして笑い合って…。


男の人がみんなそうでは無いけれど、

もう、テルオは自分の(身に起こった)事でいっぱいいっぱいでヨウの事まで頭が回らない。
誰かに打ち明けたって気持ちは決してラクにはならない。

男の人は二つの事を考えられないのです。

でも、女(ヨウ)は、一緒に乗り越えて行きたかった。
テルオひとりで抱え込んで欲しく無かった…。

「私がどれだけ心配したか分かる?」
の言葉さえ、テルオにとっては、頭の中に入り込む隙間が無いほど。

ここ、激しく共感しました😢

あんなにお互いが大好きなのに、なんでそんなふうになってしまうのだろうね…。

そこを乗り越えていけたら…なんて、もう過去の事。

告白のシーン。
タクシーの運転手さん、Good Job👍でしたね☺️
「言えるうちに言っておいたほうが良いでしょ?」って。

言わないでも察してくれよ。
言わなきゃ分からないでしょ?

ヨウはナイトオンアースのウィノナに憧れてタクシードライバーになったのかな?
"酔っ払いを乗せるのは誰だって嫌だよね"

テルオの告白通り
伊藤沙莉ちゃんが魅力的で、白くてポヨヨーンって弾けそうな肌と
笑顔と、すぐに吹き出しちゃうところと、
そして、ハスキーな声、ドスの効いた声。
魅力的でしたー!!

テルオの部屋も素敵でした。
窓の大きさとか…
ラジオ体操と植物の水遣りと、猫にキャットフードをあげて、仕事に出かけるところ。
ヨウが居なくなっても続いて行く…。


東京の夜景も良かったですね!!
私にとっては、これもとても大きな要素かも。

アパートの屋上からヨウが景色を眺め、テルオに言う。
「みんな生きているんだね。」

タクシードライバーであるヨウの夜のタクシーから見える東京の景色も。

こんなふうに、大袈裟では無い、人生の一部を切り取ったような作品が私は好き!!!

ちょっとね…この日になるとね…
ちょっと、思い出してしまう。
ちょっと思い出しただけ…

今、この季節に観れて良かったです。



以下…。

永瀬正敏さんの存在の意味。

ゲイバーのママの國村隼人さん。
バーの常連の成田凌

テルオの先輩の市川実日子

が脇を固める。

尾崎世界観さんの存在…に気付き思い出したテルオ。

あー、そういう事か…。

って、ニューヨークの屋敷さーん!!
ビックリしたわ😄
新婚さんですね。
好きなコンビですよ。
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