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The Most Beautiful Day(英題)のデルタのレビュー・感想・評価

The Most Beautiful Day(英題)(2016年製作の映画)
3.8
„DER GEILSTE TAG“
(デア ガイスツ タグ)
『最高の日(一番暑い日)』(直訳)

フロリアンとシュヴァイクホファーの仲良しコンビが、『100日間のシンプルライフ』よりも前に、共演ならびに共同製作した作品。
🇩🇪ドイツでは、2016年2月にミュンヘンで初上映。
オーストリア主宰のRomyverleihung 2016(ロミー賞 2016)にて、フロリアンが🏆長編映画脚本賞を受賞しています。

📖あらすじ
元ピアニストのアンディ(マティアス・シュヴァイクホファー)は肺繊維症を患い、移植を待ちながらホスピスで長い入院生活を送っています。
そこへ、犯罪歴のあるベンノ(フロリアン・ダーヴィッド・フィッツ)が、脳腫瘍と診断されて入院してきます。

アンディは息切れに苦しみ、モルヒネと酸素タンクが手放せません。『肺繊維症の日常生活』というタイトルで動画ブログを投稿していますが、登録者数はわずか12人。そのうち3人は彼の主治医、さらに3人がすでに亡くなっています。

幼少期から、突然、不規則な眠りに落ちてしまうことが度々あったベンノは、脳腫瘍の診断に動揺を隠せません。
死ぬ前に、元・恋人のモナ(アレクサンドラ・マリア・ララ)と娘に会いに行くことを考えます。

部屋が隣同士になった二人。
ベンノは融資詐欺を思いつき、
「ボクが死のうが誰も気にしない」と寂しそうに話すアンディを誘います。
家電や指輪、車をクレジットで購入し換金。
二人で新しいブログアカウントを立ち上げ、大金をはたいて楽しむ動画を投稿。
視聴回数はうなぎ登り。
さらに、ホスピスからの逃亡を決意し、モンバサ(ケニア)へ飛びます。
ベンノは、元恋人と娘が暮らす南アフリカを目指し、
アンディは「人生で最も最高の日(暑い日)」を経験したい。
あらゆる困難を乗り越え、二人は「最高の日」を迎えることができるのか…

DVDが大変な入手困難でしたが、ようやく鑑賞。
多くの批評家またはレビューにおいて、1997年の„Knockin' on heaven's door“(ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア)と比較されがちです。
確かに、ストーリーはよく似ています。
しかし、ブログ動画の投稿や現金入手の手段、主人公二人の目的、時代における違いなど、ノッキンにはなかったものを見ることができます。
主人公たちが死ぬことは初めからわかっているのですが、フロリアンとシュヴァイクホファーの絶妙な掛け合いは、その潜在的な悲しみをユーモアとアイロニーで打ち消し、爽やかな魅力を醸し出しています。
„100 DINGE“(100日間のシンプルライフ)でも感じたことですが、心にじんとくる台詞も多く、フロリアンの脚本家としての才能に感銘を受けます。
日本でも、配信などあればいいなと思います。
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