わた

私は貝になりたいのわたのネタバレレビュー・内容・結末

私は貝になりたい(2008年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

何もかもを捨てて一緒になった妻と理髪店を営み、大切な息子と3人で生活をしていた清水は、ある日赤紙を受け取り、徴兵から一度は無事に帰宅する。これはそのあと、とある罪状で死刑宣告を言い渡された清水と、家族のお話。

わたしなら殺したのだろうかと、考えた。

名前も顔も知らない人間を、「自分の大切な人を殺した悪いやつだ、さぁ」と逆らえない相手に言われ、手にかけることはできるのだろうか。その悪いやつを殺さなければ自分が殺される、自分にも大切な人や守りたい人がいる、そんな状況下で、わたしは目の前の人間を、どうできるだろうか。その答えは、どんなに何かを費やしたところで、きっと一生出てこないんだろうな。

なんて理不尽な世の中なのだろうと思います。実際にこのようなことがあったと考えると、言葉にもならない。

最期に願うのは、生まれ変わっても家族と一緒になることではなく、何も感じなくて何も考えなくていい、家族のことすら考えなくていい " 貝になりたい " なのが、どうにもやるせない。

ラストシーンの中居君の全て、特に語りがとてもとてもよかった。きらっきらのかわいい笑顔から死以上の表情を引き出してくる中居君は、上手な人なんだなぁと思った。あと単純に顔がきれいすぎた。
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