佐藤克巳

赤いハンカチの佐藤克巳のレビュー・感想・評価

赤いハンカチ(1964年製作の映画)
4.5
舛田利雄監督の日活ムードアクション映画の傑作であるが、作品のウエートがこの時正に全盛期だった浅丘ルリ子に移っている。冒頭アントン・カラス風ギターでの始まりとエンディングを観れば「第三の男」を援用したサスペンスである事は明らかだが、ジョセフ・コットンの石原裕次郎とアリダ・ヴァリの浅丘が逆転しているのは裕次郎の意地か?しかし、有名な警察署前事件現場でのオーソン・ウェルズ二谷英明を撃ち殺し陶酔感に酔う浅丘の美しさが、本作の高い評価に貢献大だ。どちらかと言えば、寡黙な裕次郎は「夜霧のブルース」の方が優っているし、刑事は金子信雄より岡田真澄の方が適任だった気がするのだが?
佐藤克巳

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